【獣医師監修】犬のできものについて

犬のできものについては大きく分けて発疹としこりの2種類があります。

発疹なのか?しこりなのか?

皮膚のできものは見た目では発疹なのか、しこりなのかがわからないことがあります。ただ、発疹の場合は毛が抜ける、その部分を犬が痒がる、赤みがあるなど皮膚炎症状がみられます。
しこりや腫瘍の場合、できものがあること以外は何も出ないことが多いのです。逆に全身状態が悪い状態まで行くと下痢・嘔吐・食欲不振などの症状が現れることがあります。

発疹について

発疹の原因としては細菌や真菌、ノミやダニなどの寄生虫の感染と、アレルゲンを摂取したり接触したりすることによるアレルギー反応とが考えられます。他にも薬剤などによる過敏症、二次的な現象により見られることがあります。基本的には命にかかわる症状ではありませんが、痒みは人でも辛いですし、寝られないなど二次的なストレスへと繋がるので注意する必要があります。

しこりについて

しこりは言い換えると腫瘍のことですが、発生原因はさまざまであり、原因がまだよくわかっていないものも多いのが実情です。良性の腫瘍であれば心配はありませんが、できてしまう場所によっては悪影響を起こすこともあります。悪性の腫瘍の場合は命にかかわることも多くあります。
悪性の場合は元気がなくなったり、食欲がなくなったり、また嘔吐や下痢などの症状が現れることがあります。放置して行くと、どんどんと大きくなり自壊(破裂など)することで、細菌感染などを起こし出血やかゆみなどを起こします。発見は容易ですが、良性と悪性の腫瘍を見分けることは困難です。腫瘍ができる場所もまちまちなので、そのことも見分けることを難しくさせています。悪性の腫瘍の場合、対応が遅れれば命にかかわることも多いため、しこりを発見したら早期に獣医さんの判断をあおぐ必要があります。

犬の体調管理をしっかりと

犬の病気の治療には早期発見・早期治療が最も重要です。普段から犬の世話をちゃんと行い、犬の様子をよく見ていましょう。いつもと違うしぐさを見せたり何か症状を発見したりすることで、異常を察知することができます。できものを発見した場合はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。発疹の場合は命にかかわることが少ないのですが(それでも動物病院には連れて行って、早く症状を取り除いてあげてください)、悪性の腫瘍の場合は命にかかわることも多いです。しかしその場合でも早期治療によって助かる場合もまた多いのです。素人判断で大したことはないと放っておくと取り返しのつかないことになるかもしれません。

獣医さんに伝えること

獣医さんにできものの症状を伝える場合、いつからできているのか、できものができた箇所、皮膚や抜け毛の状態、食欲・嘔吐・下痢の有無、その他気になっていることを伝えて下さい。獣医さんが判断する助けになります。

可能性のある病名

犬のできものに対して考えられる病名としては発疹、疥癬(かいせん)、アトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎、ツメダニ症、膿皮症(のうひしょう)などの皮膚関連の病気か、しこり、腫れ、脂肪腫、肥満細胞腫、悪性リンパ腫、乳腺腫瘍などの腫瘍があります。命にかかわる病気も多いので、できものを発見したら必ず動物病院に連れて行きましょう。

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腫瘍科に力を入れている動物病院

監修獣医師 佐藤 貴紀

専門は「循環器」。「獣医循環器学会認定医」の一人である。「一生のかかりつけの獣医師」を推奨するとともに、人間同様、動物の医療も、専門分野別治療、予防医療に力を入れている。どんな病気も諦めず、患者さんに寄り添う治療スタイルは飼い主さんからの絶大なる信頼を持っている。