犬は塩分の取りすぎで心臓病になる?

1.塩分過多は犬の心臓病を招く可能性が!

犬の塩分過多が危険な理由

塩分は生物にとって、生きていくうえで必要不可欠な成分です。しかし取りすぎると健康を害するのは犬も人間も同じ。そのまま病気の原因になってしまいます。特に犬の場合、人間ほど塩分を必要としていないので、ちょっとした量ですぐ取りすぎになってしまうのです。

犬の場合、塩分過多の危険性が高いのは、汗をかかないということにも関係があります。人間は汗をかくことで余分な塩分を体の外に排出することができます。一方犬は人間のように体の全体に汗腺がなく、肉球や鼻といった限られた場所でしか汗をかきません。そのため、塩分が体の中に溜まりやすいのです。

犬に人間の食べ物を食べさせてはいけない理由

飼い主のご飯を欲しがる犬はよくいます。そこでたまにならいいだろうと人間の食べ物を与えてしまうのは犬の健康を害する原因になってしまうことがあります。というのも、人間が美味しいと感じる食事は、犬にとって塩分が多すぎるものがほとんどだからです。ドッグフードに加えて、人間の食べ物まで与えていては、塩分の取りすぎになってしまいます。

 

ドッグフードや犬用おやつでも油断は禁物


人間の食事を与えなければそれで大丈夫、ということにはなりません。

犬が食べるドッグフードやおやつには、ナトリウム含有量が表示されているものとそうでないものがあります。表示されていない商品の場合、ナトリウムが多く含まれていることもあるので注意が必要になります。

2.犬って心臓病のリスクが高いの?

塩分過多が心臓に負担をかける理由

塩分の取りすぎは内臓全体に負担をかけます。心臓も例外ではありません。

塩分を多く摂っていると、犬は喉が渇き水をたくさん飲むようになります。すると体内の水分量が増えることになります。水は塩分と相性が良く、塩分のあるところに水は寄っていきます。そのため血管の中に大量の水が入り込み、血液の量が増えてしまうのです。大量の血液を送るには心臓をたくさん働かせなければならないため、血圧が上がり心臓に負担がかかるようになるのです。

心臓への過度な負担が続くと、その機能が早く低下するようになります。その結果として病気になる可能性が高くなってしまうのです。

代表的な心臓病「僧房弁閉鎖心不全」とは

一口に心臓病と言っても、さまざまな種類があります。中でも犬がかかりやすい心臓病に「僧房弁閉鎖心不全」があります。心臓の左心房と左心室の間にある僧房弁に異常が起きる病気で、犬の心臓病の約9割を占めると言われています。

正常な心臓の場合、血液は左心房から左心室に流れています。しかしその間にある僧房弁に異常が起こり、弁がきちんと閉じなくなると、正常に流れている血液が逆流を起こすことになります。その結果、心臓に血液が溜まり心臓が大きくなる「心臓肥大」や、心臓の機能がさらに低下する「心不全」を引き起こすことになります。

僧房弁閉鎖心不全の主な症状は、ゼーゼーと言う咳です。呼吸が荒くなり、症状が酷ければ呼吸困難を引き起こすこともあります。呼吸が苦しいので散歩や運動を嫌がるようになり、疲れやすくなります。これらの症状は心臓が肥大し、気管を圧迫するからです。酸素不足になりチアノーゼを起こすこともあります。

おなかや肺に水が溜まるのも、よくある症状です。これらの症状に気付いた場合は、すぐ病院を受診するようにしましょう。定期検診を受けることも、病気の発見を早めることに繋がります。

治療や生活の見直し


僧房弁閉鎖心不全は完治させるのが難しい病気です。そのため、治療は薬で病気の進行を遅らせることになります。

食事管理も大切になります。これまでの塩分が多い食生活を見直し、塩分の少ない食事に切り替える必要があります。また肥満が心臓病を悪化させることもあるので、太らせないようにカロリーに気を付けることも重要になります。

3.こんな犬は要注意

犬の心臓病の代表「僧房弁閉鎖心不全」は、年を取るとリスクが高くなる病気です。10歳前後のシニア期を迎えた犬は要注意です。ただし、生活スタイルによってはそれよりも早い段階でかかることもあります。うちの子は若いから大丈夫、と安心せず、日頃から心臓に負担がかかる生活をしないように心がけることが大切です。

僧房弁閉鎖心不全は、小型犬がかかりやすい病気としても有名です。また、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルは遺伝的にこの病気にかかりやすいことが分かっており、若くても発症することがあります。

 

まとめ

塩分過多は愛犬の心臓病リスクを高めてしまいます。

塩分の多い食事を取っていると必ず心臓病になる、という訳ではありませんが、やはりしっかりとした食生活が愛犬を病気から守る上では必要になります。

欲しがるから、と言って人間の食べ物を食べさせたり、おやつを際限なく与えることは控え、小さいうちから上手に健康管理をしてあげましょう。

 

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