【獣医師監修】えっ!猫にゼリー?水を飲ませるための手段の1つ。水分補給の猫用ゼリー

うちのにゃんこ、お水をあまり飲まないなぁ。と感じたことはありませんか?ネコちゃんがお水を飲んでくれないというケースは意外と多く見られています。

猫は水を飲まなくてもよいのかと言われれば、間違いなく NOです。しかし、猫によってはそばに置いているだけでは思うように水を飲んでくれません。

水分は補給して欲しい、でも水を飲んでくれない!いったいどうしたら良いの!!という飼い主さんのために、今回は猫に効率的に水分を取らせる手段の一つとして、猫用水分補給ゼリーを紹介します。

1.猫はなぜお水を飲まないのか

お水と猫の画像

猫は喉の渇きに鈍感で、犬と比較すると飲水量が少ない生き物です。

猫の祖先(リビアヤマネコ)が砂漠に住んでいた名残で、水分を無駄にしないで済むように尿を濃縮された状態で排泄し、必要な水分を最大限に吸収する機能を持っているためと言われています。

ですがその反面、腎臓に負担がかかり、年齢と共に腎臓の機能が低下するために慢性の腎不全を起こしやすい傾向があります。また、水分が少なく尿が濃縮された状態は尿路結石の悪化を招きます。水の少ない厳しい環境に適応している体とはいえ、健康のためには水分を摂取しなければいけないのです。

2.お水をあまり飲まない猫におすすめの水分補給ゼリー

水分補給ゼリーとは、猫の飲水欲を誘引するために猫が好きな香りや味を加えたゲル状の水分補完食です。 95%が水分にもかかわらず、食感と味があるためおやつ感覚で喜んで食べてくれる猫が多いようです。

水分補給ゼリー

★イースターベッツセレクション 猫用 脱水ケア ゲル スティックタイプ

ネコちゃんの好きな匂いや味がついている、ゲル状の水分補完食です。ビタミンなどをバランスよく配合されている商品です。

★ピスカジュレ 猫用

水分補給目的というよりは、排泄物の臭いを軽減サポートとしてお腹に良い成分が配合されているジュレです。水分補給としても使用することが可能で、防腐剤不使用、子猫~シニアまで使用することができます。

3.水分補給ゼリーはこんなネコちゃんにオススメ!!

水分補給ゼリーがオススメの猫

(1)高齢な猫や病気の猫にオススメ  


高齢の猫や病気の猫は、腎機能が低下しているため、普通の猫よりも必要な水分量が多く、固体のフードに水を混ぜて与えると喉に詰まらせてしまう危険もあります。

ゲル状のものは喉に詰まる危険が低く、固体や水を自分で取る元気のない猫にも与えやすいため、高齢や病気で水分が必要な猫には水分補給ゼリーを与えてみることをおすすめします。

(2)脱水気味のとき

脱水の時は水分だけでなくミネラルも不足する場合が多いです。水分補給ゼリーは水分だけでなく、必要なミネラルも同時に摂取することができます。小食の猫も多いので一度にいろんな成分を取らせることができるのはありがたいことです。

4.水分ゼリー以外にネコちゃんにお水を飲ませる対策!

水分補給ゼリーは水分補給の有効な手段ですが、あくまで補助であり、必要なすべての水分をゼリーで補給できるわけではありません。

メインの水分は飲水や主食から摂取しなくてはいけないため、普段の飲水にも気を配り、猫が飲水しやすい環境を作ってあげましょう。

(1)水の鮮度に気を付ける

猫の飲水の鮮度には気を付けることが大切です。ほこりなどが浮いていると、綺麗好きの猫は飲まない場合がありますし、健康にもよくありません。

飲水は一日最低二回取り換え、夏場は三回取り替えましょう。容器も丁寧に洗い、清潔に保つ必要があります。

流水タイプのお水入れなどもあります。このタイプのお水入れの場合、蛇口から飲むことが好きなネコちゃんに喜ばれます。

食器用洗剤は控えましょう

(2)水の置き場所に気を付ける

水の置き場所にも気を配りましょう。ご飯の隣に置いておく飼い主さんが多いかもしれませんが、ごはんの傍にある水はフードが入って傷みやすいため、ごはんの近く以外にも水を置いておきましょう。よく通る場所に三か所ほど置いておくと安心です。

複数の猫を飼っている場合は、水に猫の毛などが入ることが多いため、水の容器を猫の数より多く設置しあちこちに置くことをおすすめします。騒音のあるところ、排泄する場所で飲食することを猫は嫌うため、洗濯機の近くやトイレの近くは置き場所として適していません。

また高齢の猫の場合、容器の位置が低いと前肢や首が曲がって痛がる猫もいるため、少し高い台に置いてあげる必要があります。

水の置き場所のポイント

それぞれの猫に適した位置に飲水を置き、こまめに水分摂取ができるようにしましょう。

(3)ウェットフードに切り替える

普段、ドライフードを与えている場合は、ウエットフードに切り替えるだけでも水分補給になります。ドライフードは5~10%程度の水分量ですが、ウエットフードの水分量は約80%です。これだけでも、水分摂取量がだいぶ増やせます。

(4)お水を少し温めてあげる

冷たいお水よりも、体温に近い温度のお水を好むネコちゃんも多いです。 36度前後の少しぬるめのお水を与えてみましょう。

まとめ

猫用水分補給ゼリーと飲水の置き方についての注意点を紹介しました。

全ての生き物にとって水は必要不可欠なものです。飲みたがらないからといって放置すれば体調を崩してしまいます。

嫌がる猫に無理やり水を与えるのは大変ですが、水分補給ゼリーや飲水に適した環境を利用し飲水量をコントロールすることで、大切な家族である猫の健康を守りましょう。

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