【獣医師監修】ハーブとスパイスで愛犬の健康をサポート!~効果と注意点~

人間の体に良いとされているハーブやスパイスは、犬の体にも同じように良い効果をもたらしてくれることがあります。今回は、ワンちゃんにオススメのハーブやスパイスについてご紹介します。

与え方や与える際の注意点などについても触れていきますので、参考にしてみてください。

1.ハーブとスパイスはワンちゃんにも良い!!

一般的に言われている「お薬」とハーブやスパイス、アロマなどが何かものすごく違うわけではなく、薬理成分や役割はあまり変わりません。材料が植物由来なのか合成なのかの違いです。

「お薬」やハーブ類は、ばい菌を殺したり、痛みを和らげたりして、体の消耗を防いで、体の持っている治癒力を助けます。

ヨーロッパでは、人医療でも植物の成分を使った医療(ハーバルメディスン)の歴史は長いです。また、近年ではストレス解消に役立てたり毛艶を良くしたり関節痛を抑えたりといった目的でハーブを与える、ドッグフィトセラピー(犬のための植物療法の意)という分野も認知されるようになってきました。

ドッグフィトセラピー

2.ハーブやスパイスの与え方

キャバリアの画像

基本的にハーブは、栄養がぎゅっと詰まった乾燥のものを用いてお茶として抽出します。

もちろん乾燥ハーブをそのままご飯に振りかけて与えても構いませんが、お茶にすることで植物を消化しにくい犬の腸も成分が吸収しやすくなると言われています。乾燥したハーブをそのまま使用する場合には、細かく粉砕してから使用するなどの工夫が必要です。

特に高齢犬や病気の犬にはお茶の方が無難です。与え方はお好みで、お茶のまま飲めるようでしたらそのままあげても良いですし、犬ご飯にかけて与えても良いです。量の目安としては乾燥ハーブの場合中型犬で小さじ半分、お茶にする場合は小さじ2杯弱くらい(小型犬なら半量、大型犬なら倍量)です。いちどにたくさん摂ると下痢することがあります。

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3.ワンちゃんにオススメのハーブ

(1)抗酸化作用があるもの

バジル

ビタミン、ミネラル、抗酸化物質に富みます。抗菌作用や鎮静作用を持ち腹痛や胃痙攣などを抑え胃腸の働きを良くしますが、大量摂取は逆に胃腸を荒らしますので注意が必要です。

また、快適な睡眠を促します。

オレガノ

こちらも抗酸化物質が豊富で、消化促進作用、強壮作用、鎮静作用、殺菌効果などがあります。

ローズマリー

酸化作用がとても強いため、市販のフードの天然酸化防止剤として使用されていることも多くあります。ワンちゃんにとって、身近なハーブと言えますね。
「若返りハーブ」と称されるくらい老化によって起こる様々な体調変化を防ぎ、特に消化器官に効果的に働きます。効能が強いのでバジルやオレガノの半量を目安に与えます。

【ローズマリーの注意点】
ローズマリーエキスが使用されているドッグフードを与えている場合や妊娠中、発作性の持病持ち(てんかんなど)の場合は使用を控えたほうが良いです。

マリーゴールド

黄色のハーブです。マリーゴールドも抗酸化作用が強く、免疫力のアップや白血球を作るサポートなどの効果があります。

さらに、皮膚の修復効果も期待できるため、マリーゴールドのハーブティーを洗浄液代わりに使用すると、雑菌の侵入を防いでくれる効果もあります。ワンちゃんは、皮膚の傷を自分でペロペロして治そうとしますが、ペロペロの結果、炎症が悪化するというケースは多いです。マリーゴールドのハーブティを洗浄液として使用するという方法は、ワンちゃんが舐めても安全なのでオススメです。

ターメリック

肝機能を良好にしてくれることは有名ではないでしょうか。強い抗酸化作用があり、生姜の仲間なので同じように体を温めて免疫力を高めてくれます。

1日の摂取量の目安は、体重5kgに対して小さじ8分の1程度です。  

(2)免疫力をアップ

ネトル

抗ヒスタミン作用があることから、人間の花粉症対策にハーブティやサプリメントとして広く取り入れられています。さらに浄血作用や血の巡りを良くする効果もある上に、ビタミンCやβカロチン、ミネラル類なども豊富で、人間同様犬にも適しています。

バードッグ

バード(バードックルート)は日本で言う“ごぼう”のことです。肝臓の解毒作用や血液浄化作用があり、尿酸や老廃物を出すデトックス効果を持ちます。さらに抗菌効果や発汗作用なども持ち、感染症予防が期待できます。

ごぼうそのものは、アクが強く、食物繊維も多いためワンちゃんに与えるのは控えておきたい野菜ですが、ハーブとしては肝臓ケアなど効果があるので活用してみてください。

ワイルドベリー

腎臓や肝臓など消化器官の働きを助けてくれます。歯槽膿漏の改善や歯石を取り除くなどの歯の問題に対しても効果が期待できるので、手作りフードや缶詰フードを与えている子には小さい頃から与えるのもオススメですね。

(3)こちらもオススメ

クランベリー

ビタミンCやクエン酸などが豊富なクランベリーは、膀胱炎や尿路結石の予防が期待されます。尿石は体質によるところが多く、膀胱炎になったことがある子や好発犬種(なりやすい犬種)の子の予防対策にもおすすめです。

カモミール

リラックス効果が高いので、エッセンシャルオイルとしてマッサージなどに使用することもオススメです。ハーブとしても、皮膚病の予防などが期待できます。

2.愛犬にハーブやスパイスを与える際に注意することは?

(1)与えてはいけないハーブ・スパイス

犬に食べさせてはいけない食べ物があるように、注意が必要なハーブもあります。

・ヨモギ

日本で身近なハーブの一つにヨモギがありますが、犬が摂取すると下痢をしてしまうことがあるので与えないほうが賢明です。

・イチョウ

そして、ハーブティとしてイチョウを摂取している人もいるかもしれませんが、血液の凝固を妨げる働きがあるので犬にはあげない方が安心です。

・ジャスミン

 また、カフェインを含むお茶類は犬にあげてはいけないものとして広く知られていますが、ジャスミンティはノンカフェインであっても中毒症状を起こすとされているため注意したい所です。

・香辛料

環境省が発行しているペットフード・ガイドラインには、犬が避けたほうが良い食べ物の一つとして香辛料を記載しています。理由は香辛料への耐性が低く肝臓障害を引き起こすとなっています。

(2)与える際の注意点

ハーブでもスパイスでも、初めて与えるものは少量からスタートしましょう。食べた後の様子を見守り、アレルギーがないか、お腹の調子を悪くしていないかなどをチェックします。

さらに継続的に与えても大丈夫と判断した場合でも、5日続けたら2日休むなど、ハーブ・スパイス休日を作りましょう。休むことで与えた時と与えない時の体の違いを観ることができ、体がハーブ等に慣れて効き目が弱くなることを防ぐことができます。

3.手軽に始めるには、ハーブ配合のフードがオススメ

ワンちゃんにハーブを与えてみたいと思っても、細かく粉砕するのも大変、お茶を入れて冷ますのも大変とお考えの飼い主さんも多いでしょう。

そんな時には、ハーブが配合されているフードに切り替えるという方法もあります。

・Timber Wolf ( ティンバーウルフ)

その名の通り、狼の食事に近づけて作られており、自然食材を多く使用されています。消化を助ける効果のあるハーブが配合されたフードです。

種類は5種類ありますが、全犬種、全年齢に使用できるフードです。

・グリーンフィッシュ

食物アレルギーの解消という観点から開発されたフードで、化学物質の残留が少ない魚や天然のハーブを配合したプレミアムフードです。配合されているハーブは6種類です。

フードのタイプには、ドライとウェットの両方があるので、ドライを食べないワンちゃんにもオススメです。

上記以外にもハーブを配合したプレミアムフードは個人輸入などでも入手が可能です。フードの切り替えは、現在のフードに少しずつ(3割~8割、お腹の調子を見ながら)混ぜてゆっくり切り替えてあげてくださいね。

まとめ

ワンちゃんにハーブやスパイスを与える際には、少量を様子を見ながら与えてください。与える前に臭いを嗅がせてワンちゃんが嫌がらないようであれば与えてあげてください。

もともと持病のあるワンちゃんや、妊娠中のワンちゃんなどには与えない方が良い場合が多いです。特に常用しているお薬がある場合は飲み合わせについて、事前に必ずかかりつけの先生に相談してから与えるようにしましょう。その際に、ハーブに含まれる効能や成分について聞かれることもあるので、ラベルごと持って行くようにしてください。

監修獣医師 塩谷 朋子

渋谷区どうぶつ病院ルル元院長。
10年間院長として活躍した豊富や診察経験他民放テレビやインターネット、雑誌や書籍などさまざまな媒体にも出演、寄稿している。

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