【獣医師監修】あなたは大丈夫?犬にキャットフードを与えてはいけない理由

1.犬に猫のフードを与えてはいけない理由とは?

犬と猫は両者とも家庭で飼われることが多い身近な動物です。その点で近い存在であると思われ、どちらも肉食動物だと思われることが多いです。 しかし実際は異なり、猫は完全肉食ですが、犬は雑食です。したがって、それぞれに必要な栄養素で作られたフードを与える必要があります。

キャットフードはカロリーが高い!?

犬にキャットフードを与えてしまうことは避けましょう。猫のフードは味付けが濃く、カロリーが高いので犬にとっては最高のご馳走です。 犬の味覚は人間のそれと比較して1/4~半分ほどしかなく、猫は人間の1/10程度と言われています。そのため、猫が美味しく食べられるようにと、キャットフードは味つけが濃くなっていたり、肉汁や魚のエキスがふんだんに使用されているのです。また、雑食の犬より肉食の猫の方がより多くのたんぱく質量を必要とするため、キャットフードもドッグフードよりたんぱく質含有量が多くなります。

キャットフードの方が好むからといって与えていると、カロリーの過剰摂取となり肥満に繋がります。ドッグフードよりたんぱく質も塩分も多く含まれているので、摂取し続けると腎臓病、高血圧、心臓病の原因になることも考えられます。
また、脂質が多く含まれているキャットフードを食べると、下痢嘔吐などの症状を示す犬もいます。

キャットフードはドッグフードより味付けが濃く犬にとってもおいしく感じられるため、キャットフードを一度食べてしまうとドッグフードを食べなくなってしまうことも考えられます。

2.ドックフードを猫に与えるのもよくない!?

ドッグフードを猫には与えることも良くありません。ドッグフードは雑食性である犬に合わせて作られているため、雑穀などが使用されています。猫は雑穀などが混ざっているドッグフードでは栄養を十分に摂取することが出来ず、栄養不足に陥ってしまうことが考えられます。 また、猫はタウリンというアミノ酸、アラキドン酸という必須脂肪酸を体内で合成することができませんので、キャットフードから摂取する必要があります。犬はこれらの成分を体内で合成できるためドッグフードには含まれていません。したがって、猫がドッグフードを食べ続けるとこれらの栄養が不足してしまい健康維持ができなくなります。

3.ドッグフードを食べなくなってしまった場合の対処法は?

いくら愛犬が喜ぶからと言ってキャットフードを与え続けることは避けましょう。 もしドッグフードを食べなくなってしまった場合は、以下のように少しずつ変えていくようにします。 キャットフードにドッグフードを少量混ぜ、問題なく食べてくれたら翌日は前日よりドッグフードの割合を増やします。徐々にドッグフードの割合を増やしていき、最終的にドッグフードに切り替えたら成功です。 中には、とても頭が良く自分の気に入ったフード以外は一切食べない犬もいるかもしれません。 しかし、飼い主との主従関係を保つためにもドッグフードを食べないのであれば、片付けるという態度を見せることも大切です。可哀想だと感じるかもしれません。飼い主とペットの我慢勝負となりますが、躾のためにそこは頑張って耐えましょう。 お腹が減った状態でドッグフードを与えれば、しっかりと食べるようになります。

犬と猫を共に飼っている家庭で、犬が誤ってキャットフードを食べてしまったとしても、数回であれば特に健康上の問題は無いでしょう。長期的に与えていなければ大丈夫だと考えられます。しかし、アレルギーなどの原因で体調に異変が起きた場合は、動物病院への受診をおすすめします。

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