【獣医師監修】知ってる?水を飲みたがらない猫ちゃんに!スープで水分&栄養のW補給

【獣医師監修】知ってる?水を飲みたがらない猫ちゃんに!スープで水分&栄養のW補給
飼い猫が水を飲まなくなり、脱水症状になるのではないかと気になったことはないでしょうか。猫は基本的に水分が不足した状態には強いとはいえ、あまりにも水を飲まない状態が続くと腎不全や膀胱結石、膀胱炎などの深刻なトラブルを引き起こします。日頃の水分摂取量を確認し、不足しがちだと思ったらいろいろな方法で水分補給を行いましょう。

★1.あまり水を飲まない猫もいる

猫が水を必要量飲んでいるのかを判断する場合は、人間の水分摂取量とは違いがあるため注意が必要です。というのも、イエネコの先祖は乾燥した砂漠地帯で生活しており、少ない水分でも問題なく健康を維持できるようになっています。そのため、この祖先の血を強く受け継いでいる猫であれば、あまり水を飲まなくても健康に大きな影響が出ない可能性も高いです。一方、飼い猫で水分不足にやや弱いタイプの種類であれば、やはり医師に指示された量の水分はしっかり与える必要があります。

★2.猫が水を飲まない時のチェックポイント

  新鮮な水か

猫がなかなか水を飲まないとき、置いてある水が新鮮なものかどうかを確認します。猫は臭いに敏感で、朝容器に入れた水を昼過ぎには飲まなくなることがあります。これは、時間をおいて古くなったから飲むことができないと猫が判断しているためで、新しい水に還ると案外すんなり飲むことがあります。そこで、容器に入れた水は一日に数回取り換えをして、容器にも臭いが付着するため水を変えるときに一緒にきれいに洗います。複数の猫を飼っているときには、他の猫の唾液などがついているのを嫌がることがあり、猫の数だけ容器を分けておいた方が無難です。

  猫が好きなタイプの水をあげているのか

猫によって水の好みがありますので、最初からあまり飲まないときにはタイプを変えてみるのも一つの方法です。猫におすすめの水は、ペット用のミネラルウォーターやお湯、お湯を冷ましたもの、炭を入れてカルキ臭を飛ばしたものなどです。猫によってこれらの香りや味、舌触りなどの好みの違いがありますので、おすすめのタイプの水を複数試してから決めるとよいでしょう。猫が好む鶏肉や魚の臭いのついているゆで汁なども好みます。逆に、硬水や塩分の多い水、花瓶に入っていた水などは、病気を引き起こす恐れがあるので避けるべきです。

  流水であげてみてはどうか

どんな水にしてもなかなか飲まないときには、水道の蛇口を少し緩めて水をわざと落とすのもおすすめです。猫は狩猟本能があるためか、与えられた水よりも自分で手に入れた水に興味を示すという説もあり、実際に流水ならば積極的に飲む様子を見かけることも多いです。とりあえず水を垂らして猫を側に連れてきて、様子を見るのもよいでしょう。

★3.スープで水分&栄養のW補給を目指そう

  市販品のスープ

水をあまり飲まないときは、フードに混ぜて摂取させるという方法が有効です。水分を積極的に摂らない猫の対策として、スープで水分補給と栄養補給を同時に行うという方法があります。病気を持っている猫に対しても、代表的な病気の改善が期待できるウェットフードやスープなどが出回っていますので、まずは探してみるとよいでしょう。
猫用の市販スープにはいろいろなタイプがありますが、ウェットフードでもスープが7~8割方を占めており、とろみがついているものなどは水で伸ばしやすく便利です。ウェットフードは鳥や魚の匂いがしっかりしているものが多く、水で薄めても猫の食欲を刺激します。具材が細かくなっているものなら高齢の猫でもしっかり栄養補給をすることができておすすめです。
一方、スープタイプは具が入っていないものもあります。味のタイプはいろいろあり、とろみがついているもの、あっさりしている者などバリエーションも豊かですので、いくつか試して猫が喜ぶものを探してみるとよいでしょう。フードを混ぜたり、猫が好む具材を調理して中に入れてやると、猫も嫌がらずに水分を摂取します。
最初から具材の入っているスープは、多少水で薄めてもしっかりした匂いがあって猫が食べやすいです。自分で調理する手間も省けますし、不足していると思われる程度の水分をプラスするだけで良いため、忙しい飼い主でも毎日続けることができて便利です。

  手作りスープを作ってみる

毎日市販のスープを与えるのは経済的にも健康面でも不安があるという場合には、自宅で簡単に手作りスープを作ることができます。基本的な材料は鶏ガラと水だけで、すぐに用意できます。作り方は、鶏ガラは余分な脂肪を取り除いて小分けにし、圧力鍋に入れます。強火にかけて鍋が沸騰したら中火にし、先にアクを取り除いてから20分程度加熱すれば完成です。できたスープは鶏ガラを除き、鶏ガラについた肉もはずしてスープと混ぜて猫に与えられます。すぐに使わない分のスープを冷凍保存もできますので、休みの時に作り置きをして、忙しい平日は温め直すだけでいつも手作りスープができます。
鶏ガラは様々な料理のスープとして使われており、自分たちの食事用にだしをとって少量を猫用に取り分けておくという事もできますし、スープを与えない場合でも鶏ガラから外した鶏肉をフードにできるなど、効率的です。圧力鍋を使わずに作る場合には、大きな鍋に水と鶏ガラを入れて強火にかけます。煮立ったらアクを取り、様子を見て水を適量加えながら2~3時間煮込むと完成です。圧力鍋に比べると手間と時間はかかるものの、基本的には放置しておけば作れるスープですので、挑戦してみましょう。


このように、水を与える方法はいろいろなアプローチがあります。このほかにも、猫が好む素材や形の食器を用意するだけで水を飲むようになったり、普段よく行く場所に水入りの容器を置いてみるという方法などがあります。猫は水分が不足しても水を積極的に飲まないケースが往々にしてありますので、やがて喉が渇いたら飲むだろうと楽観視してはいけません。猫が水分をとらなくて心配という飼い主の方も、こちらでご紹介した手順を参考に、飼い猫に今までよりも多く水分を与えられる方法を試してみてはいかがでしょうか。
監修獣医師 加藤 由生子

酪農学園大学獣医学科卒業
その後獣医中医師の資格を取得。2017年に動物鍼灸治療を中心とするペットサロンBEANSを開院。中医学という選択肢がペットにもあるを広めて行きたいです。

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