【獣医師監修】尿路結石症の猫が食事を食べない!単に味が好みじゃないから?原因と対策

猫の体調管理のために今まで食べていたものと違う食べ物を出すと、食べてくれない猫もいます。2歳~6歳の成猫でよく見られる尿路結石症の一つ、ストルバイト尿石症の場合、尿のpHがアルカリ性になると結晶化し、酸性になると溶ける性質であることから、尿路閉塞がない場合、尿を酸性化する組成の特別療法食を数か月間与えて結石溶解治療を行います。ペットフードメーカーの方がいろいろ工夫して作っているとはいえ、味の変化などを敏感に察知するグルメな猫はそう簡単に食べてはくれません。飼い主の方にとっては非常に悩ましいところです。参考になればと思い、以下の考え得る原因と対策を書き出してみました。


★猫が療法食を食べない時の考えられる原因

①猫は、フードの舌触りや、味、匂いの変化にとても敏感です。例えば、カゼで鼻が詰まってしまうと、とたんに食いつきが悪くなることからも分かるとおり、匂いは特に重要です。フードの変化を嫌うタイプの猫だと、ここでつまずいてしまいます。

②猫の嗜好性は、子猫の時に食べていたフードに影響されると言われています。極端ですが、限定された一種類のフードのみで育つと、(例えば、ずっとチキン味のドライフードのみ、など)それ以外は拒否することがあります。この場合、食事を変えるのはとても困難です。切り替えは、2~4週間かけて、少しずつ慎重に行うべきでしょう。

③初めての場所や、ストレスフルな状況(入院など)では、新しいフードを拒絶することがあります。フードの変更は、猫が落ち着いてから行うのが理想です。

④猫は、胃腸障害(悪心・嘔吐・下痢など)が起きた時に出されたフードを嫌うことがあります。同じことを繰り返さないために、避けてしまうようです。

★そのままにしているとどうなる?

結石の大きさや形にもよりますが、細かい結石がたくさんある場合、そのままにしていると、排尿した時に尿道に詰まって尿路閉塞を引き起こすことがあります。そうなると、尿を出せなくなり、この状態が1日半~2日以上続くと、腎臓にも障害をきたし、腎不全、尿毒症と進んで、命の危機を迎えてしまいます。尿路閉塞の段階では、もはや食事でどうこうはできませんので、尿毒症になってしまう前に、一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。特に雄猫は、雌に比べて尿道が細く、詰まりやすいので要注意です。

★猫に療法食を食べてもらうための工夫

基本的にはフードの切り替えは、胃腸の調子を崩してしまわないよう、4~7日かけて行います。すんなり受け入れてもらえなさそうであれば、さらに時間をかけ、2~4週間程度で徐々に変えていきます。味も、同じチキン味でも、メーカーによって多少違いますし、様々なフレーバーが発売されているので、猫の口に合うものを見つけられればよりスムースに進むでしょう。ウェットフードは匂いが強く、レンジで少し温めるとさらに香り立つので、ドライフードに少し混ぜるだけでも、食欲が刺激されて食べ始めることがあります。しかし、それでも食べてくれない場合は、尿を酸性化させるお薬を飲ませるという方法もあります。ただし、尿pHは酸性化させすぎるとまた別の病気を引き起こすおそれが出てくるので、ちょうどよいphを維持できるよう、定期的なチェックが必要です。

まとめ

尿路結石症は、命の危険に直結する尿路閉塞を引き起こす可能性がありますので、まずは獣医さんに診てもらい指示を仰ぎましょう。そして、療法食による治療が始まってからは飼い主さんの頑張りどころです。猫が療法食を気に入ってくれればラッキーですが、食べない場合は観察と工夫が必要となってきます。好物と混ぜて出してみるなど、あきらめずに試行錯誤を続けましょう。それでも上手くいかない場合はもう一度獣医さんに相談し、一緒に対策を考えてもらいましょう。

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